かに日記 ザ・ファイナル
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こんにちは!
株式会社セイフティプランナー九州です。
今回は天野純希著「破天の剣」の感想です。
主人公は軍事の天才と言われた島津家久 。薩摩藩の藩主の末の弟であった。
時代は織田信長から豊臣秀吉の天下に移り変わった頃。
家久はその軍事的才能で、薩摩藩が現在の鹿児島の3分の1程度の領地であったのを、鹿児島全土から宮崎に至るまでに領土を広げた。
もし秀吉の天下が定まらなかったら、九州全土を薩摩藩が押えていたのではないだろうか。
彼は生まれてから死ぬまで軍事にしか興味が無く、その他の事はまるで幼児そのものという一風
変わった人間であった。
当時、地方の一豪族程度にすぎなかった薩摩藩は、代々薩摩一帯の統一を悲願としていたにも関わらず、それをなし得ていなかった。その中で、弟である家久の異才を見抜き登用したのは彼の兄であった。
兄の慧眼と深い愛情が、結果として薩摩を大きく変え、悲願達成につながったのである。
多くの人は、自分と明らかに違う人の能力を俯瞰して見る目をなかなか持ち得ない。
人材の登用といっても、人を平等に見る目を持たなければ不可能なのだろう。
実際に家久は、4人の兄弟の中で一人だけ妾腹であり、2人の兄は知恵に優れていたり実践に優れた
勇猛な武者であったりしたのだから、なおのこと周りの目は厳しかっただろう。
幼き頃、あまりにも破天荒な生き方に呆れられ、父親から勘当同然の扱いで諸国を見て来い
と旅に出された。
そこで家久は、九州全域から四国、大阪までの国々の状況や軍事の様子を研究しながら、また実際に戦の助太刀をしながら五体に戦の勘を養い、戦場を自分で徹底的に調べることで、戦えば常に勝つ作戦を組み立てていったのだ。
家久の生き様はまさに、日本の「孫子の兵法」そのものの姿ではないだろうか?
人はそれぞれにいろんな能力を持っている。
同時に人は、自分の能力を生きているうちに使いきれるだろうか、と自問自答する。
そして多くの人が自身の能力を「使い切りたい!」と心から願うのである。
その願いこそ、人として生きる者の使命と言える。
しかし、使命を果たしきって生きている人が一体どれだけいるだろうか。
そう考えると、人の寿命は長くもあり短くもある。
私もまた、使命を果たすために残りの人生を思う存分に生きてみたい!
そう思える一書でした。
松本 2018.1.10読了
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